6月公開予定の映画「はるヲうるひと」での主演や、Netfllixでの「全裸監督2」の配信も予定しており、映画「ゾッキ」では竹中直人と斎藤工と共に監督業もこなす山田孝之。
そんなノリにのっている俳優の演技力を余すところなく楽しめる作品「凶悪」。
山田孝之だけでは無く、ピエール瀧やリリー・フランキーの演技もまた圧巻の作品です。
その演技力に惚れ込んだ山田孝之は最新作「ゾッキ」で謹慎中だったピエール瀧に出演オファーを出すほどです。
AmazonプライムビデオやNetflixでも配信されているます。
映画「凶悪」の実派は?あらすじ(ストーリー)や結末ネタバレ考察!
映画「凶悪」の実話の事件は?
映画「凶悪」は実話を基にした作品となっており、その内容を見た後では本当にあった事なんて信じられないくらい「凶悪」な内容になっています。
この事件は1999年~2000年にかけて茨城県で起きた「上申書殺人事件」という事件が元になっております。
主人公の山田孝之が演じた記者ですが、実際には新潮社であり、「新潮45」という雑誌で2005年に報じられた事件が映画の作品になります。
内容としては映画「凶悪」はかなり忠実に映画化をしたと考えられるほど設定が似ています。
告発をした元暴力団組長と「先生」と呼び慕っていた不動産ブローカーも同じです。
(実際の元暴力団組長:後藤良次と不動産ブローカーの三上静雄)
事件の括りとしては「保険金殺人事件」なのですが、お金のためとはいえ、とても胸糞な内容が話題となりました。
2011年にはフジテレビの「奇跡体験アンビリバボー」でもこの上申書殺人事件は取り上げられており、多くの人を驚かせました。
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映画「凶悪」あらすじ(ストーリー)は?
死刑囚である元暴力団の須藤(ピエール瀧)は、雑誌に自分が判決を受けた事件以外にも3つの殺人事件に関与をしているという手紙を送ります。
その手紙を見た雑誌の記者藤井(山田孝之)は取材のために拘置所で須藤の話を聞くことに。
須藤の裏には、まだ捕まっていない首謀者である「先生」と呼ばれる不動産ブローカーの木村文雄(リリー・フランキー)がいる事を知った藤井は事件解明のために動き出します。
しかし、取材にのめりこむ藤井とは裏腹に、家では痴呆症の母とその介護をする妻洋子(池脇千鶴)を取り巻く環境にも破綻が起きていました。
事件の真相を公にして「正義」を全うしようとする藤井は「先生」を逮捕へと導くことができるのでしょうか?
予告編はこちら。
映画「凶悪」の結末ネタバレ考察!
映画「凶悪」は何と言っても何が「凶悪」なのか?というのが見所になります。
映画のネタバレをしてしまうと、須藤(ピエール瀧)の告発を元に藤井(山田孝之)は先生(リリー・フランキー)を追い詰め、雑誌で公開を果たします。
雑誌は話題になり、警察を動かし、ついに「先生」木村文雄は逮捕されます。
裁判が始まり、木村は「無期懲役」となるのですが映画の最後に藤井と木村が留置所で会話をする場面で木村は。
「一番俺を許せないのはお前(藤井)だろ」
という言葉を発します。
映画「凶悪」の一番印象的なシーンです。
藤井の異常なまでの木村への執念は疑問すら感じます。
この事件の真相を究明するために、藤井の家庭は崩壊寸前にまでなり、妻の洋子(池脇千鶴)は藤井に離婚届を書いて欲しいとまでいうんです。
いったい「凶悪」とは何なのか。
普通に見ると「先生」である黒幕の木村が「凶悪」なという風に映るのですが、実は全員が「凶悪」なんです。
冒頭ではその残忍なまでの犯行を描いている須藤(ピエール瀧)が「凶悪」そのものに描かれており。
家庭を顧みずに自分の「正義」という快感に酔う藤井もまた「凶悪」であるのです。
一見被害者の藤井の妻・洋子もまた義理の母の介護に疲れ果て義母に手を出してしまうように描かれており、「凶悪」なのです。
単純に木村を追い詰めるミステリー映画として描くのであれば藤井の家庭の問題は必要が無い要素なのですが、隠れた「介護問題」というテーマにも言及しているのがこの作品の面白いところです。
作品のレビューでは。
「救われない」
「胸糞映画」
「何を描きたいかわからない」
「監督の自己満」
といったマイナスレビューも多くありますが、この秀逸なタイトルテーマを考えてみるとただのミステリーサスペンスでは無い事がわかると思います。
この手の映画は日本ではあまり好まれる事は無いですが、園 子温監督の「冷たい熱帯魚」も実在した事件を元にした映画なので「凶悪」が楽しめたらおすすめです。
どちらの作品も決して明るい内容では無いのでご注意ください。
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