荷物

最近の動向として、労働も通常の事務系や販売以外に、選択肢の一つとして配達、運送、宅配の需要は急増している背景から、未経験でそれらを始めようとする方も増えています。しかしながら、”誰でも出来る軽作業”と呼ばれる労働は、極めて高い効率姓を求められているのは以前から変わりません。
そこで今回は、この配達、運送、宅配のプロフェッショナルの視点から、

  • 徒歩を使う場所を特定して集中する
  • 安価で利用頻度の高いものだけを扱う
  • 距離と時間ロスの少ない地域を生活拠点とする

について作業効率を解説します。





配達・宅配は効率の鬼となること

「物を運搬する」という単純な働き方は、ともすれば”誰でも出来る”と目される事が多いですが、実際は高いスキルを要するものです。そのスキルとは「交通手段」と「土地勘」の2つがまず完ぺきに周知して無ければ達成できません。

・交通手段・・・・徒歩、自転車、バイク、自動車、電車やバス
・土地勘・・・・・町名の東西南北の位置

単純なようで、これらはよほど注意して行動する規範としなければ、事故やミス、運ぶ物品の破損に繋がり、そのトラブルは必ず自分の減収につながると覚悟しなければならないのです。



配達・宅配の交通手段について

ウーバーイーツ

この交通手段で最も安全性が高く、確実のは時間はかかりますが間違いなく「徒歩」です。コストは関わらず、文字通り徒歩の宅配、配達は小物で生ものや冷凍でなければ郵送するまで、あるいは運送業者拠点に直接徒歩で行くのが効率的です。

しかしながら、ウーバーイーツなどの加工食品輸送には、タイムリーな昼夜の食事と関連するので、安全であっても、外部サービスとの連携は無駄でしか無いと思うでしょう。

しかしながら、この運送のプロフェッショナルが最重要視しているのは、運送コストよりも人件費です。どんなに高速な交通手段を使っても、物品を玄関先まで届ける際の処理は常に「徒歩」であるからです。

・現場に到着してからの徒歩と処理の時間をいかに短縮するか?

バイクや自転車を路上に止めて、たった1品納品のために高層マンションの11階に物を届けるのは効率的でしょうか?多くの宅配業者で、マンションや高層ビルへの配送には、専任のスタッフを準備して、郵便でも宅配でも戸建てと兼任することはないのです。つまり、いかなる宅配、配送、運搬の仕事でも、「件数を増やすこと」が収益に直結している以上、一つの建物に留まる時間が長ければ、それだけ報酬機会は失っているとの同義です。

組織や集団としてある拠点から、特定の建物向けに配送や宅配をするのであれば、マンションやその高層ビル内の需要や注文数をリサーチして、”確実に〇〇以上の収益が上がる”という拠点に向けて集約して荷物や食品を届ける方が、効率的です。

この場合、徒歩は「建物内で有効な移動手段」ですから、まとめて受注、階数の上から順次処理すれば早いわけです。



配達・配送の基本的な考え方

バイクに乗るウーバーイーツ

ウーバーイーツなど、距離に応じた収益が加算される仕組みは、従来の宅配業者でも採用しているシステムです。違うのは、サービスを利用する顧客の負担が無いか、低く抑えてあるだけで、この費用は発送者が負担するようになっています。これにより、多くの通販では、商品自体に輸送コストを上乗せしていたり、あるいは輸送コストの安い商品を通販向けに販売しているのですが、個人で請け負う事業者の場合は、そういった主体性はありません。

つまり長い距離を走って、距離コストを自分の収益に加えたいとなると、それはそのまま顧客の負担が重くなる、つまり請け負う配送単価は高い方が有利となります。

しかし、宅配や配送のサービスの利点からすれば、「便利」、「すぐ利用できる」ということから、出かけるほどではないが、食べてみたい、利用してみたい、ちょっと興味があるという関心から利用の機会は増えるので、言ってみれば高級品を望んでいるパターンは少ないのです。それは自分で直接行って購入するか、食事をする方がステイタスがあるからです。

つまり「利用頻度の高いもの、売れやすく消耗品に近いもの」などは、そもそもが単価は低く、運送コストが安い、もっと言えば無料に近い方が収益性は上がります。

高級食材、高級料理、おせちなどは、レストランが指定する専門業者か、店側が準備した方が顧客信頼性が下がらず、日本郵便でもおせちゆうパック配送は、専門スタッフが兼任しています。個人では「出来るだけ単価の低い安い物」を安く届けられることを、アピールした方が、結果的に収益は上がります。



配達・配送・宅配の土地勘について

後ろ姿の男性

・徒歩を使う場所を特定して集中する
・安価で利用頻度の高いものだけを扱う

この2つの視点を利用者側でみると、日常で何気ない事、普通の食事は出かける必要がないので、結果、時間的に余裕が生まれます。それにより得られる効果は、この不可避な外出から開放されることです。つまり、配達・配送・宅配の利用者側が必ず念頭に置くのは、この
「時間的余裕」であって、欲しい物を得られる以上に短時間で完結することなのです。

ここで考えるのは、ユーザー側は「なんで頼んだのにまだ来ないの?」という不満をいかに防ぐかです。そのためには、ユーザー側の想定した店までの距離や、ネットで注文したそのタイムリーなタイミングです。配達・配送・宅配では、個人では特に自分の身の回りの地域の方がより詳しいのは言うまでもないでしょう。

そこから離れれば離れるほど、スマホで地図を確認するにしても、方角、駅名、バス停等の目印を探すことから始めなければなりません。マンションや高層ビルならともなく、Googleの地図には、ゼンリンの地図のように個人名は記載されていません。

もちろん、戸建住宅すべての表札を覚えるのは不可能です。しかし、通販でも言えることで、一度でも配達・配送・宅配が便利だという自覚が利用者に出来れば、何度でも同じ地域からリクエストが来る可能性は高いのです。つまり、この「需要頻度の高い場所」に「自分の住まい」が近ければ近いほど、一度の単価は低くとも数多くのタスクを処理でき、収益をより多く獲得できるのです。



まとめ

  • 徒歩を使う場所を特定して集中する
  • 安価で利用頻度の高いものだけを扱う
  • 距離と時間ロスの少ない地域を生活拠点とする

以上、今回の解説からわかることは、飲食店や食品製造業者等の出発場所から、配達完了までの距離が出来るだけ短く、なんなら徒歩でも可能なほど近いことは、以下のことが条件となります。

  1. 飲食店や食品製造業者等が多い地域
  2. その地域に外部から公共交通手段で利用する顧客数の数
  3. 発送と到着が近い場所に自分が住んでいる

今回は、プロフェッショナルの視点で配達・配送・宅配の初心者が陥りやすい考え方の違いについて解説しました。