中国企業の開発したアプリが世界中で規制対象として検討されることになり、注目が集まっていますね。
アメリカやインド、オーストラリアでは、実際に規制や制限が行われたり、強制調査の対象となっている企業も出てきています。
そんな中、2020年7月28日に自民党「ルール形成戦略議員連盟」会長の甘利明元経済再生担当相が「動画投稿アプリ「TikTok」を念頭に中国発アプリの利用制限を政府に提言する方針」を発表。
まだ正式な「利用禁止」や「使用制限」といった法的根拠は発生していない段階ですが、既存ユーザーを中心に混乱の声があがっています。
そこで今回の記事では、今回の話題について
- TikTokや荒野行動はどうなる?中国企業アプリ制限対象
- 【中国企業アプリ】アメリカの規制対象一覧
- 【中国企業アプリ】インドの規制対象一覧
をご紹介していきたいと思います!
TikTokや荒野行動はどうなる?中国企業アプリ制限対象
2020年7月30日現在、日本の中国企業アプリ規制対象については詳細が公開されていません。
ただ、有力な規制候補として挙げられているのがアメリカやインドなど海外でも特に強く問題視されている「TikTok」があるでしょう。
また、ネット上では「荒野行動」、「第五人格」といった人気ゲームが規制になるのでは?と不安の声もあがっています。
日本でも「TikTok」や「荒野行動」といえば10代20代の若者を中心に利用者の多いアプリとして有名です。
Youtubeにもプレイ動画多くアップロードされており、その裾野の広さが良く分かりますね。
ただし、これらアプリの出処を辿ると、
- 「TikTok」…中国企業のByteDance社が開発、運営
- 「荒野行動」…中国企業のNetEaseGamesが開発、運営
- 「第五人格」…荒野行動と同じくNetEaseGamesが開発、運営
このように中国企業による開発・運営となっています。
よって、冒頭の甘利明元経済再生担当相の「中国発アプリの利用制限」に関する提言から、「制限対象となる中国アプリ」になってしまうのではないかとユーザーが戦々恐々としています。
既にアプリ規制が始まっているインドを見てみると「TikTok」が規制対象、「荒野行動」「第五人格」は規制対象外となっています。
この事から日本でも同様に「TikTok」は禁止対象になり、「荒野行動」」「第五人格」は禁止されない可能性が高いと考えられるのではないでしょうか。
▼ネットでも以下のような情報が集まっています
おそらく禁止になるだろうアプリ
要は個人情報漏出があるアプリを取り締まっていくぽいからゲームはあんまり関係ない?
これインドが制限した中国アプリ一覧。インドは有名なゲームの制限はしてない。(多分) pic.twitter.com/4dt3niNs57— Ay (@Aisaaisa1234) July 28, 2020
「インドは有名なゲームの制限はしてない」といった意見もあるようです。
(注)実際には「Clash of Kings」、「Mobile Legends」といった有名ゲームが規制対象になっています。
中国アプリ制限のやつアメリカの一覧の中にはとりあえず第五人格入ってない?みたいやね…あってもLINEとかの連携が出来なくなるとかかなぁ?わからぬ…
— ∞クロエ∞ (@yukino359645) July 28, 2020
「第五人格」は今のところ安心できるかも知れません。
中国アプリ制限がちょい話題になってるけど、明らかに中身見ないでコメントしてる人いるんだよね
ちゃんと中身も見ましょ
規制されるのはSNS系統が多いです— ゐづな (@I_nights_) July 28, 2020
SNSだけでなく、写真加工アプリ、動画制作・編集アプリといった便利アプリも規制の対象になっています。(詳細は後述)
アプリの利用規約や運営会社の規模が影響している可能性がありそうです。
中国アプリ制限されたら中国版あんスタ無理?
QQがなんかの一覧に入ってるのみかけたんだけど…— あいり (@airi_regulus) July 28, 2020
いずれにしても、日本での規制対象アプリは現状未発表です。
正式決定はアメリカの発表を追う形になると予想されますので、それまで追加の情報を待ちましょう!
【中国企業アプリ】アメリカの規制対象一覧
アメリカでは一部の中国企業が開発したアプリに対して、政府関係者の利用を禁止しています。
アメリカが禁止を検討することを明らかにしている対象は以下です。
- TikTok(ショートムービー共有プラットフォーム)
- 中国製のソーシャルメディアアプリ(おそらくWeiboやWeChatといった中国版LINEや中国版Twitterと呼ばれるアプリを指していると思われる)
アプリ以外にも、ファーウェイ・テクノロジーズ社製のスマートフォン・タブレット端末の使用禁止も検討
アメリカでは政府関係者に対する規制をいち早く打ち出しており、また5G規格の選定企業からもファーウェイ社を締め出すなど、中国企業へのけん制をつづけています。
トランプ大統領を始め、政府関係者による「TikTokの市民向けアプリ規制」についてもたびたび発言しており、運営会社への強制捜査にも踏み切るなど、今後の動向に注目が集まっています。
【中国企業アプリ】インドの規制対象一覧
2020年6月、インドでもアメリカに追随する形で中国アプリを規制対象とする動きがありました。
中国企業が開発したアプリ59本を「国家安全保障上の脅威」としてブロックし、アメリカの発表したアプリ一覧に加え、新たに47本を追加で禁止しています。
情報ソース:インド政府報道局
インドで規制対象となった中国企業の作成したアプリの対象は以下の通りです。
(括弧内はアプリのジャンル・簡単な解説)
- TikTok(ショートムービー共有プラットフォーム)
- Shareit(データ共有アプリ)
- Kwai(快手)(短編動画作成アプリ)
- UC Browser(アリババグループ子会社の制作したWebブラウザー)
- Baidu map(百度地図)(中国版GoogleMap)
- Shein(オンラインショッピングアプリ、中国版ZOZOTOWN)
- Clash of Kings(オンラインストラテジーゲーム)
- DU battery saver(バッテリーセーバー)
- Helo(SNSアプリ)
- Likee(動画制作&共有プラットフォーム)
- YouCam makeup(カメラアプリ)
- Mi Community(シャオミのファンサービス向け公式アプリ)
- CM Browers(Cheetah Mobileが開発したWebブラウザー)
- Virus Cleaner(アンチウィルスソフト)
- APUS Browser(広告ブロックブラウザー)
- ROMWE(オンラインショッピングアプリ)
- Club Factory(オンラインショッピングアプリ)
- Newsdog(ニュース配信アプリ)
- Beutry Plus(カメラアプリ)
- WeChat(微信)(中国版LINE)
- UC News(ニュース配信アプリ)
- QQ Mail(中国版GoogleMail)
- Weibo(中国版Twitter)
- Xender(ファイル保存・共有アプリ)
- QQ Music(音楽配信アプリ)
- QQ Newsfeed(ニュース配信アプリ)
- Bigo Live(ライブ配信アプリ)
- SelfieCity(写真編集アプリ)
- Mail Master(メールアプリ?)
- Parallel Space(アカウント多重ログインアプリ)
- Mi Video Call Xiaomi(動画再生アプリ)
- WeSync(データ同期アプリ)
- ES File Explorer(ファイルマネージャー)
- Viva Video QU Video Inc(動画編集アプリ)
- Meitu(美図)(自撮り・写真編集・加工アプリ)
- Vigo Video(動画制作&共有プラットフォーム)
- New Video Status(ニュース配信アプリ)
- DU Recorder(画面録画・編集アプリ)
- Vault- Hide(クラウドバックアップ・隠蔽アプリ)
- Cache Cleaner DU App studio(ファイル・キャッシュクリーンアップソフト)
- DU Cleaner(メモリ・キャッシュクリーンアップソフト)
- DU Browser(Webブラウザー)
- Hago Play With New Friends(ゲーム・ライブ配信・音声チャットアプリ)
- Cam Scanner(スキャンアプリ)
- Clean Master Cheetah Mobile(メモリ・キャッシュクリーンアップソフト)
- Wonder Camera(自撮り・写真編集・加工アプリ)
- Photo Wonder(自撮り・写真編集・加工アプリ)
- QQ Player(動画再生アプリ)
- We Meet
- Sweet Selfie(自撮り・写真編集・加工アプリ)
- Baidu Translate(中国版Google翻訳)
- Vmate(動画編集アプリ)
- QQ International(メッセンジャーアプリ)
- QQ Security Center(パスワード保護管理アプリ)
- QQ Launcher(アプリランチャー)
- U Video(エンタメ)
- V fly Status Video(画像編集・加工アプリ)
- Mobile Legends(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)
- DU Privacy(プライバシーロックアプリ)
中でもTikTokに関しては、開発会社にとって最大のマーケットであったインドで制限されるのは非常に痛手となっているようです。
米調査会社SensorTowerのデータによると、TikTokのインドでのダウンロード数は2019年に3億2300万回に達していて、TikTokの世界総ダウンロード回数の44%を占めていたとのこと。
世界の約半分のユーザーを失う事になるわけですから、とんでもない打撃になることは間違いないでしょう。
今後、中国側がどのような動きを見せてくるのか、経済的側面だけでなく、政治的にも目が離せない状況といえます。
中国アプリ規制対象まとめ
対中包囲網とも言われている今回のアプリ規制騒動ですが、純粋に楽しんで利用していたアプリが突然規制され、ショックを受けているユーザーも多いようです。
ただ、自分の気づかないうちに情報が漏洩していたとしたら…なんとも気味が悪い話ですよね。
今後どのような流れになっていくのか日本での動きも非常に気になりますので、詳細が分かってきたら新たな情報をまとめて紹介していきたいと思います!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
中国発のアプリって面白いものばかりで、自分の周りでも荒野行動とかはやっている人が多い印象です。SNSアプリの規制が多いという話を聞いて、少しホッとしましたが、まだ安心はできないので、引き続き情報を集めたいと思いました。
名無し さん
コメントありがとうございます。
中国発のゲームアプリは開発費も潤沢で技術力が高いので、面白いものが多いですよね。
日本ではアメリカに追随する形で検討を進める流れなので、米国側の動きをしっかり追っていきたいです。
荒野行動が禁止されたら泣ける
日本のゲーム会社はハンコ絵のガチャアプリだらけ
擬人化・萌え化でオタク層の集客しかしてないから海外への影響力も無し
これを機に気概のあるゲームが出るといいなぁ