うつ病経験者
全国20代のビジネスマンにアンケートをとると、仕事のストレスで最も強く感じるのは人間関係となっています。
今回は、接客について、数々の経験から、ストレスを回避しながら居心地良く働ける考え方やコツについて解説します。





仕事に限らずストレスの正体を知る

ストレスとは必ずしも体に悪いものではなく、むしろ良い方向に働くこともあります。
例えば新規オープンする、あるいはこれから新規事業に初取り組みするといった、起点となる最初に、ある程度のパワーを要するような、初動から目標までが極めて短い場合などです。

ストレスは”プレッシャー”などと表現されますが、ストレスの概念を最初に提唱した学者の話では、「スパイスの摂取は過剰であれば健康に悪いが、食事のアクセントには有効」という料理に例えて、”ストレスは人生のスパイス”と表現しています。

そのため、やる気ややるべき仕事を急に失って、人から期待を受けなくなる定年退職や失職もまた、その後に強いストレスを感じることがあるのです。

このことから、ストレスとは身体的、精神的疲労からくる負荷の問題ではなくて、まさしく心、つまり頭でどう捉えるかで、良い方向へ働くか、悪い方へ病的に変化するかの違いが出てきます。

ストレスの正体は、この脳の思考の変化による自身への負担といえます。



明確な目標がないと負のスパイラルに

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生活や仕事上の変化に応じて、脳内の内分泌に影響が生じ、心に反応が表れたことが身体に影響する際、”気力”の継続が非常に重要なポイントになります。

1.仕事継続の期間・労働時間
2.やらなければ打開できないことの規模

この「時間」と「仕事の大きさ」で考えると、例え最終的に得られる報酬が高くても、ストレスは悪い方向にしか作用しません。

この2つの条件がハッキリと自覚できない、あるいはその事業や会社内の部署で、明確な目標がないと、「いつ終わるのか」、「どこまでやればよいのか」といった素朴な疑問解決には至らないからです。

まずメンタルというのは、「生活の出来事」に端を発して、自分の環境変化という、他動的な要因がある事が多いです。
またその他動的な要因の中に、行動の要因となるモチベーションの起点、つまり「やる気を起こすきっかけ」の喪失や「目的がなくなかった」等の、意識的な変化が同時に起こることで、負のスパイラルに陥ります、

こういった生活の変化と喪失感があるのに、目標、目的がない中でやらなければならない事が、他動的に命令、あるいは指示されることが、仕事のストレスとなって心身に表面化するのです。



ストレスの解消のために動くには?

ミーティング

原因がわかれば解決の糸口は見つかるものです。まず上記「生活の変化」と「指示や命令」には逆らうことは出来ない場合、自分の中に義務を感じるその考え方を変えていきます。

・生活と生計、仕事の関係を明確にする

そもそも働くとは、報酬を得たり、給与を得たりする手段の一つに過ぎません。その手段は世の中に正社員、派遣社員、アルバイト・パートなど、形態は違っても同じなのです。ただ結果となる受け取れる金額には格差があります。また雇用に応じて労働時間や、与えられる仕事の負荷にも差があります。

しかし「生活を支える」という目的は皆同じなのです。

生活を支えるためだけの手段として仕事を考えるなら、「指示や命令」は、能動的なやりがいを感じる必要はなく、むしろ余計な心の負担です。もっと冷徹に、自分の仕事を明快に「何をすればすぐ終わるのか」という視点で、目標を目の前に据えるべきなのです。

つまり、仕事では大局的に捉えず、超短期に局所的目標を掲げ、大局的には役職者の役割、局所的作業分担は社員や労働者の義務というように、責任を切り分ける意識が必要なのです。あなたが社運を背負う必要はありません。単に「生活のためにやってる」だけです。



タスクの長さではなく数が問題

グラフ

上記の補足になりますが、高い目標と大きな事業を立ち上げたり、あるいは数多くの協力が必要なチームで仕事を共有する場合、その仕事に関わる時間はそれぞれで似通ったものになります。そこには個人の能力以上にグループ全体のパワーが必要なためで、言い換えると負担はその分、数の多さに比例して軽いのです。

例えば、100人規模の中小企業と、数万人が働く労働環境では、単純に年間という期間で区切った成果達成にかかる負荷は、大企業の方が個人レベルで軽いです。これは、大企業の方がタスク、つまり作業の単位が小さく出来るからです。

このタスクの数を極めて小さい単位まで縮めると、その仕事における大きさは小さいが、企業全体としての期間は年単位であるので、場合よっては会社の目標は数年かかるケースがあります。それだけ、下のレベルの労働は継続が長くなるということです。

中小企業ではこのプロセスが真逆に作用します。つまり、個々の労働負担は極めて重くなるが、短期的結果を求められ、かつ規模も小さい目標が設定されるパターンが多いのです。

この2つの違いも、やはりやるべきタスクの数が違います。

タスクの短い作業は効率性を要求され短期間、タスクは長いが非効率でもそれが無いと全体に影響する、こういった違いが仕事にはあるのです。



長い継続には早い段階で離脱が必要

今回の結論として、まずストレスは長さ、継続期間が長ければ長いほど、本来の目標が見えづらく、またそれが本当の目的である「自分の生活のため」という意識が薄れます。

またストレス継続時間が短いが、その目標が職場で能力に関係なく与えられているケースの場合は、自分自身の作業効率性を上げる以外に目標に達する事はできません。

こうした長短の違いでストレスが発生するので、「自分の生活のため」という意識を明確に再確認するためには、休息が必要です。



休息は自分に課せられた義務と捉える

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どんなに強いパワーを発揮するシステムも、高い負荷を永遠にかけ続ければ、やがてフリーズし、どんなに指示しても、処理できないまま最後は動かなくなります。人間では、これが脳内の情報伝達ホルモン、セロトニンによって起こるのです。

“脳の暴走”とも言われるこの高いホルモンの分泌継続は、脳への活動停止を行ういかなる仕組みも排除しようとするので、疲労感、集中力がマックスに近づく前に、一旦強制終了するしかありません。

つまりどの職場でも、「一定の休息を確保できない」というのは、労働とは呼べず。むしろその仕事が本来守るべき生活環境への侵食をもたらすことで、結果、長いタスクとなって自分を苦しめることになるのです。

休息はどんな作業、どんな労働でもその時だけは自由を確保できなくてはなりません。つまり、どんな仕事も負荷も、休息が何度も取れる仕組みを採用すれば、労働意識は良い方向へ変わっていくのです。



まとめ

  • 働くのにストレスは絶対必要
  • 本来の目標を明確に把握する
  • 仕事は手段であってその目的は生活とは直接関係がない
  • 集中力、継続は短く区切って休息をできるだけ増やす

どんな作戦、戦略にも士気が必要なように、明確な目標と戦場から離脱する理由というのが必要です。仕事は自分自身の生活を支えるために選ぶ、戦略であってその目的はお金を得るためです。労働は手段である限り、戦術としては”撤退”を常に想定しなければいけません。

こうした考え方は、商業、ビジネスの分野では立場の違いを超えて共通しているので、参考にすると良いでしょう。