2021年8月24日から東京パラリンピックが開幕しました。

どの競技も頑張って欲しいところですが、選手の他にも競技をする上で大切な存在である「視覚障害者ガイドランナー」を、私は「第69回別府大分毎日マラソン」をテレビで見て初めて知りました。
選手と「視覚障害者ガイドランナー」は二人三脚で、競技に挑まないといけないです。

そこで、今回は「視覚障害者ガイドランナー」についてシェアしていこうと思います。

  • パラリンピックのマラソン「視覚障害者ガイドランナー」とは?
  • マラソンの視覚障害者ガイドランナーのルールや資格は?
  • 視覚障害者ガイドランナーを結ぶ紐とは?

などを紹介していきます!

「視覚障害者ガイドランナー」について理解した上でパラリンピックを応援できれば、また違った見方ができるかもしれませんね。





パラリンピック・マラソンの視覚障害者ガイドランナーとは?

それでは、マラソンの視覚障害者ガイドランナーについて説明していきます。

ガイドランナーとは視覚障害者の選手の視界となり、サポートする役割のランナーをガイドランナーといいます。ガイドランナーは伴走者とも呼ばれているんですよ。

視覚障害者の選手は目が見ないため、走るコースや自分の周りに走っている選手がどのくらいいるのか把握できません。
そこで視覚障害者の選手が走るコースを誘導したり、周りの選手との距離感について声をかけてサポートするのがガイドランナーの役目です。選手が安全に走るためにガイドランナーは必要な存在です。

ガイドランナーをしてみたいという方は、下記のような機会を利用するといいですね。
「視覚障害者ランナー・パラリンピックメダリスト和田伸也さんと伴走者の体験をしよう!」



マラソンの視覚障害者ガイドランナーのルールや資格は?

マラソンの視覚障害者ガイドランナーのルールや資格について紹介します。

ガイドランナーのルール

ルールについて

  • 選手とガイドランナーは輪っか状のロープを握る
  • 競技者の前方に出たり、選手を押したり、戦術に関するアドバイスをしてはいけない
  • ゴール時の写真判定の邪魔になっても反則となる
  • ガイドランナーの反則は選手の反則となり失格
  • 0.5km以上のレースの場合
    ガイドランナーの交代は1回のみ(ガイドランナーの登録は1選手につき2名まで)
  • マラソン(42.195km)の場合:
     ガイドランナーの交代は何回でも(ガイドランナーの登録は1選手につき2名まで

 

「別府大分毎日マラソン」では、伴走者と走る視覚障害ランナーのきずなが見える場面です ↓

ガイドランナーは視覚障害クラスで最も重いクラス11の選手と、その次に重いクラスである12の選手に付くことが許可されています。
数字だけ見るとクラス12の方が重度に見えがちですが、クラス11が最も重度の視覚障害者となります。

ガイドランナーが必ず必要なのはクラス11で
重度の度合いは 11 → 12 → 13 = 大 → 小 となります。

  • T11クラスの競技者は伴走者とともに走らなければならない
  • T12クラスは単独走もしくは伴走者とともに走るかを選択することができる
  • T13クラスは単独で走らなければならない

※ クラス12の人でも視覚障害の分類に入りますが、クラス11の人に比べるとまだ視力があるのでガイドランナーをつけてもつけなくてもよいとされています。



視覚障害のクラス分け一覧

  • IPC(国際パラリンピック委員会)
  • IBSA(国際視覚障害者スポーツ協会)
クラス名 区分内容
T11クラス(B1) 視力0.0025未満(LogMar2.60より低視力)
T12クラス(B2) 視力0.0025から0.032まで、または視野直径10度未満(logMAR2.6からlogMAR1.5まで)
T13クラス(B3) 視力0.04以上0.1まで、または視野直径10度以上40度未満
(logMAR1.4からlogMAR1.0まで)

※ 視力は良い方の眼の矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズなどを使用した視力)

  • 全国障害者スポーツ大会
クラス名 区分内容
B1(区分24) 視力0から0.01まで
B2(区分25) その他の視覚障害(障害者手帳の保持が条件)

引用元:https://jbma.or.jp/paralympic/classification/
参照:日本障がい者スポーツ協会

ガイドランナーの資格

ガイドランナーになるには特別な資格は必要ありません。

しかし、いきなりガイドランナーとして障害者ランナーをサポートするのは危険です。
まずは練習会に参加する必要があります。

練習会でガイドランナ-としてのノウハウを学び、障害者ランナーに安心してもらえるガイドランナーになることが大切です。
練習会について日本ブラインドマラソン協会のHPにて情報が掲載されていたので、気になる方はチェックしてみてください。

視覚障害者ガイドランナーの各地での練習会です ↓



視覚障害者ガイドランナーを結ぶ紐は?

レース中、選手とガイドランナーは輪っか状の紐を握り一緒に走らなければいけません。

選手とガイドランナーを結ぶ紐は「きずな」といいます。
「きずな」は約1メートルの紐を輪っかにしたもので、選手とガイドランナーは一心同体のような関係となってレースに臨んでいます。

選手はガイドランナーを信頼して走り、ガイドランナーは選手を思いやってサポート。
そのため、紐は「きずな」という名になっているようです。

「第69回別府大分毎日マラソン」で優勝された視覚障害者ランナーの道下美里さんとガイドランナーの堀内規生さんです。
しっかりと紐で結ばれています ↓

パラリンピックなどの大会では、1名だけのガイドランナー登録で選手と一緒に競技を行い3位以内に入った場合、ガイドランナーにも選手と同じメダルが贈られます。
「きずな」という紐で結ばれているだけあって、ガイドランナーにも選手と同じメダルが贈られのは嬉しいですね。



まとめ

パラリンピックのマラソン「視覚障害者ガイドランナー」、ルールや資格・紐についてまとめました。

    • ガイドランナーとは、視覚障害者の選手の視界となり、サポートする役割のランナー
    • ガイドランナーになるための特別な資格は不要
    • 視覚障害者の選手とガイドランナーを結ぶ紐の名前は「きずな」

視覚障害者マラソンランナーとガイドランナーは息の合った走りがポイントだということが分かりました。
パラリンピック・マラソンを見る際は、ぜひ選手だけでなくガイドランナーにも注目して応援しましょう。