健康に良い和食の代表的な食材といえば「おから」がありますが、似たような料理として「卯の花」もありますよね。
どちらも豆腐を作る時の搾りかすが原材料、ということまでは知っている人も多いかと思いますが、この二つの食材の違いは何なのか、ご存知でしょうか?
なんて思ってた人も多いのではないでしょうか。
実は、結論から言うと「おから」と「卯の花」はどちらも同じ物です。
では、どうして呼び方が違ったりするのでしょうか?
今回は、そんなおからに関して、
- おからや卯の花の違いは何なのか?
- 地域によって違う他の呼び方
- 言葉の由来
- 漢字で書く「雪花菜」の読み方
についてご紹介していきます。
おからと卯の花の違いは何?
冒頭でも申し上げた通り、おからと卯の花の違いはありません!
こう勘違いされている方も多そうですが、料理の前後や、料理の方法による違いはなく、どちらも同じものを指す呼び名なんですよ。
さらに、おからには卯の花以外にも、様々な別名があります。
おからの別名は?きらずや大入りは同じもの?
おからの別名として、他には「きらず」「雪花菜(せっかさい)」「大入り(おおいり)」などがあります。
これらもすべて、同じ食材・料理のことを指しています。
呼び方に関しての地域差は以下の通りです。
- おからは全国的、かつ一般的な呼び名
- 卯の花は主に関東で呼ばれることが多い
- きらずは主に東北や関西での呼び名
- 雪花菜(せっかさい)もエリアを問わず使われています
また調べてみると、おからはおからそのものを指し、卯の花はおからを煮た料理の名前として使われることもあるみたいです。
ただこれは、一部の料理本やレシピサイトでの話なので、正しい使い方ではありません。
では、同じ食材なのになぜ違う呼び名があるのか?
その名前の由来について次の章でご説明していきます。
おから・卯の花・きらず・雪花菜の名前の由来
まず、「おから」ですが、この呼び名は作成される時の過程に由来しています。
おからは豆腐を作る際に出る大豆の搾りかす、つまり大豆の皮や繊維が残ったものです。
つまり大豆の『殻』が残ったものという事なんですね。
この『殻」に丁寧語の『御(お)』を付けて、「御殻(おから)」と呼ばれたのが始まりです。
豆腐が広く一般庶民に食べられるようになったのは江戸時代頃と言われていますが
広く認知されてくるようになると宴の席でも提供される機会が増えます。
その際、おからの「から」という響きが「空(から)」 とも聞き取れることから、「空っぽ」に繋がり、縁起が良くないと考えられました。
そのため、めでたい席で提供される際は、おからによく似ていた植物「ウツギ」の花から名前を取り、「卯の花」と呼ばれるようになりました。
なにかと縁起を担ぐ商人や職人の多かった江戸時代ならでは、という感じがします。
なんだか「するめ」がお金を「擦る・掏る」を連想するということで「あたりめ」と言い換えられたという話と似ていますね。
「きらず」に関しては調理の際に包丁で切る必要がないことが由来と言われています。
また『縁を切らず(切らない)』という語呂合わせもあって、商売の縁起物として月末に食べる習わしのある地域もあるそうです。
「雪花菜」は中国語でのおからの呼び名「雪花(シュエホワ)」に由来しています。
ここから転じて雪花菜と呼ばれるようになりました。
「大入り」は、芸能関連で使われているおからの呼び名です。
寄席の世界で「おから」と言うと、「空席」を連想させることから、満席を願って「大入り」と呼ぶようになったと言われています。
また「大入り」には料理の「炒る(いる)」の意味も含まれています。
雪花菜の読み方
おからの漢字として使われる雪花菜は「せっかさい」または「きらず」とも読みます。
元々は中国語でおからを意味する「雪花(シュエホワ)」を由来とした雪花菜(せっかさい)という読み方があったのですが、同じ食材を指していることもあって、「おから」や「きらず」の当て字として使われる事となりました。
よって、音読みとしては「せっかさい」、訓読みとしては「おから・きらず」となります。
おからと卯の花の違いまとめ
おからと卯の花に違いはなく、同じものである。
というお話から、おからの別名や名前の由来までをご紹介しました。
おからを食べる機会がありましたら、是非今回ご紹介した記事の内容を思い出してみてくださいね。
意外なエピソード満載のおからですが、栄養もたっぷりで健康に良いとされる食材です。
日頃から積極的に食べて、健康増進されてみてください。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。